こでまりの花
この町ではいつの季節も西から風が吹く 庭の草木が東へ傾いていることでわかる 今日もまぶしい日差しの間を駆け抜けて風が吹く 白いこでまりは今にも根元から倒れてしまいそう 一歳半のの姪の赤白帽子は飛ばされて 追いかける足取りは帽子が転がるスピードで やっとつかまえた帽子をかぶって高らかに笑い声 ひざの赤チンが二重三重も重なるわけを知る
白いこでまりは倒れはしないかと両手で触れてみる 今日はじめて姪が遊んでと僕の背をたたく それでも明日の朝には忘れていつもの人見知り できれば明後日の朝には少しは覚えていておくれ 支えるために手を伸ばすその手をイヤイヤ振り払う 行き場はなく腰の後ろ結んだ手は汗ばんで 転びそうで転ばないようでずっと前のめり それでも一日のほとんどを笑って姪は過ごしてく
白いこでまりはどんな匂いかと鼻を寄せてみる 指先ほどの小さな白い花はとてもいい匂い きっといつか姪が大きくなったら言うだろう こでまりの花の匂いはおじさんにとっては君の匂い こでまりの花の匂いはおじさんにとっては君の匂い
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