池田省一 歌詞ページ

十三郎とトミエさん

トミエさんは今日も朝から花を眺めてる
小さな漁師町の人一人通れる程の小道に朝日はたまる
朽ちた竿だけがどれほどそこに眠っているのだろう
その上をひらひら洗濯物 トミエさんがそれを眺めてる
表札には今も十三郎 幾年かが過ぎた今日の日も
散ることなどない花トミエさんの花 花は咲いている

玄関前にはお世辞にも上手いとは言えない手作りの椅子がある
十三郎は上手く椅子が出来なくて ただトミエさんはそれを眺めてる
表札には今も十三郎 幾年かが過ぎた今日の日も
散ることなどない花トミエさんの花 花は咲いている

トミエさんはほとんど耳は聞こえなくなったけど
僕が近づく事にすぐに気が付いて じっとこっちを見ている
赤白黄色のチューリップを僕が優しく手のひらで撫でていく
人差し指出してとても小さな声で 赤 白 黄色
玄関前は小さな花園 囲まれてトミエさんが座ってる
ふと 表札を見上げてみるとえらそうな字で 十三郎
表札には今も十三郎 幾年かが過ぎた今日の日も
散ることなどない花トミエさんの花 花は咲いている


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