光の槍
昨日の台風の残党が黒い土に隠れ罠を張っている 歪な形のふらふらした陰が近づいて来るのを待ってる 青い空に気をとられ昨日の雨を忘れて踝近くまで泥にはまった左足 この靴で電車に乗るには年をとりすぎたゆっくり歩いてきた道をゆっくり引き返す 笑い話で済むはずのちっぽけなドジが招くべきして招いた災いに思え 出来る事は一つだけ分かっているのに何故いつも真っ直ぐ歩いて行けない
どんな時も強い心を望んだはずなのに 慣れていくことを望んだわけじゃないのに アスファルトの上続く黒い泥の足跡 これも答えだろうか心の色は何色
太い幹が折れて荒々しくささくれて優しい花が咲くまでは桜の木とは信じない 真っ逆様に落ちる こうして僕は落ちてしまう喜びを幾ら集めてもたった一つの悲しみで 信じた道を歩きなくした物がある 大事な人が大事なまま遠ざかり消えていく 何のために いったい誰のためにいったい僕はあの人のことをこんなに深く知っているのだろう
どんな時も強い心を望んだはずなのに 慣れていくことを望んだわけじゃないのに アスファルトの上続く黒い泥の足跡 これが答えだろうか心の色は何色 青い空から放たれる光の槍が届かない所まで逃げてしまおうか 大きな爪痕を残した台風は自分勝手に北の空で凍えて消えた
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