空に向かって
滑り止めの穴が幾つも開いた傾斜のきつい坂道 君の大学の教会の鐘の音が聞こえてきた 卒業式が終わったのだろう 少し急がないと しかし四年もよく君がこんな坂道を登ってきたもんだ タクシーが登ってく きっと半分はこの手だな もうやめる言い出した事もあった 今ごろ君は思い出の多さと深さに気づいて泣いているのだろう
あーあー時は過ぎる 音もたてずにやって来てはげしく去っていくから あーあー涙止めて明日が続いていくことに胸を膨らまそう 下ばかり向いていると涙が止まらないのはほんとだよ 上だよ 上 空を見上げて
案の定君は一番仲の良かった友達と お互いの肩に顔をうずめて泣いていた 仕方ないな約束の時間には遅れてやろうか 駅前で渡された英会話の黄色いチラシを まずは半分に次に線にそい飛行機が出来た坂の上大学のロータリー かけ声と共に投げた飛行機は春風を見つけ桜を誘いに飛んで行く
あーあー時は過ぎて出会いと別れの季節の春が来る あーあー涙止めて明日が続いて行くことに胸を膨らまそう 旅立ちの君も紙飛行機なんて飛ばしてみるといい 上だよ 上 空に向かって
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